2026.10.03(SAT)
●Emily A. Sprague(US)『Cyano』(2026)
●久しぶりに電気グルーヴ『A』を聞いた、一曲目の始まりの音がどう考えてもマリンの音で、山本浩貴は2026年7月20日にこう投稿した。
《人をたくさん集めた結果としてすごい人が自然発生するのでもないし、すごい人を集めてオールスターを作るのでもない、なんか大学とか友人関係で集まっただけの人らがなぜか凄まじく全員すごい作品をつくる者たちになってしまう、そういう状態》というのは私にとってはつまりバンドということで、ビートルズは確かにポールとジョンは元々天才だったかもしれないが、それでも、ビートルズ、Lennon-McCcartneyとして作品を作った。ジョンとポールが個別に作った曲が多いし、共作の中にもそれぞれが作った部分が明らかな曲もあれば(原則自分で作った部分は自分で歌っている)、作曲の分担がわからないような共作の曲もある。ジョージは年下で、ジョージ・マーティンにジョージのレコーディングの時間は取れないと言われたり、最初は不遇だったが、サージェント、ホワイトアルバムくらいで覚醒して、(実質)最後のアビィロードで、ジョンとポールより良い曲を書いた。解散して出した3枚組のオール・シングス・マスト・パスはビートルズのソロ作で最初にチャートで一位をとった。リンゴはずっと天才だった。
ビートルズがロックバンドの雛形のように考えれていても、ビートルズのように全員が歌って作曲するバンドはほとんどいなかったし、今もいない。だから、山本浩貴の言う《そういう状態》がバンドだと言っても、ワンマンバンドは《そういう状態》ではない。ジョージが初めて作曲に挑戦したウィズ・ザ・ビートルズに入ってる「Don’t Bother Me」はジョージはこの曲を嫌っているが、一人が突出した才能を持ったワンマンバンドは、他のバンドメンバーが「Don’t Bother Me」を提出することができない。ビートルズは失敗が許される環境だったとかと言うより、親密な関係の友だちが作ろうとしている曲を手伝わない理由がない、大体「Don’t Bother Me」は悪い曲ではなかった。
『A』の一曲目は作曲は石野卓球であってマリンではなかった。電気グルーヴのアルバムには石野卓球とマリンという異なる身体が作る楽曲が一緒に入っている、「石野卓球 砂原良徳」のような共作のクレジットと並んで「電気グルーヴ」の表記もあってこれが「石野卓球 砂原良徳 ピエール瀧」ではないのは何かだ。文芸誌やアンソロジーは異なる身体によって書かれた小説が入っていてもバンドではない。バンドのアルバムのような小説(集)。
●このホームページでPINFUくんの小説『愛のテーマ』を連載することになりました。隔週土曜更新です、チェックよろしくお願いします。
