2026.09.28(MON)
●柴田聡子『がんばれ!メロディー』(2019)
●バッティングセンターでスウィング見て以来、実は抱きしめたくなってたのは、体格が良くて良いスウィングだったからではなくて、情けないスウィングであったことがなぜか分かり、私は野球が苦手で、球を捕るのは得意だった。バッティングセンターでは打つのとストラックアウトだけで、捕球は出番がなくて、私は野球が苦手だった。一緒にいた友だちが気を使うくらいの私のピッチングはストラックアウトの真緑のメッキが色んなところで剥がれたストラックアウトの枠を揺らして、地面が揺れなかった。バイト先のエレベータは50kmより遠い震源地の地震は、微小な揺れの時点で検知して一番近くの階で隣の部屋のネイリストの人を下ろした。二子玉川駅の近くで、車でしか行けないから駅と最寄りであることが意味をなさないそのバッティングセンターは私も知らなかった、綺麗な野球用具の店も併設したそこは、ゴルフの打ちっぱなしのように2階建でそれぞれの階からボールは打ち返されたりバッターの横を素通りしたりして、ゴルフの打ちっぱなしが基準なのは私の実家の近くに打ちっぱなしがあったからで、2階は少しの地震では全然揺れなかった。揺れなかった2階の一番奥のブースで、私は友だちに動画を撮られながら、さっきまで隣のブースで打っていた友だちのスウィングをイメージしながら、ボールが来るたびにバットを振って、野球をテレビで見ないから、そこで友だちが変なスウィングをしていたら私はそれをインストールしていたはずで、そう考えて振ったバットが一度だけいい音を鳴らして向こうから来たボールを私が立っている床のやや下に向かって飛ばした。私と友だちたちはここから幸せ祈ってる、遠くのボールに祈ってる、みんなもみんなで祈ってる、ありがとう、おめでとう、また会おう!